ピンキリ通信簿

ピンキリなモヤモヤを昇華するただの日記

映画 日日是好日

何気なくアマゾンプライムで見始めた「日日是好日」。

前回見た「サニー」が合わなかったのもあり、アマゾンプライムの邦画に期待できないのではと半信半疑であった。しかし晩年の樹木希林を見ておきたいと思い鑑賞。

これが、期待に反して素晴らしい作品だった。

恒久的に素晴らしいのかというと、それはわからない。今の、私にぴったりと来るテーマだった。

華やかで美人な多部未華子と対照的な主人公の黒木花。地味だけれど、自信をつけてとても美しく成長していく様や、コツコツと体で覚えることを続けることで見えてくるもの、生死感、一期一会、移りゆく美しい日本の季節とその音、文字の持つ精神。

中年になって初めてこの作品の良さがわかるのではないか。きっと20代の頃にはわからなかったであろう、時間が作る成長記録。

この映画で扱われる茶道というものは、マインドフルネスだ。

茶道を習慣として行うことで整えられる精神がそこにある。決められた所作をただひたすらに繰り返すことで見えてくる、精神の向こう側。ここに行き着くことは悟りか。

「選択の科学」という本で書かれていた、決められたルールが多い中で少ない選択をすることの方が、多くの選択を持つ人間よりも幸福度が高いという言葉を思い出した。決まり事の多い茶道の世界で、体が覚えて、勝手に動くようになることの先に見える世界、それを知れるのはなんて幸せなんだろう。

この映画が私に語りかけてくれたのは、会いたい人には会うこと。そして、何かを継続してやり続けること。何も継続できない私が続けられるのは、この日記くらいかもしれない。そして写真を撮り続けよう。どんどん興味を持って、続けられる何かを見つけたい。

今、たまたま偶然にもこの映画を見ることを選んだ自分の勘を褒め称えたい。日本映画の、美しさを見た。日本人に生まれて、この映画に共感できてよかった。

私は、日本映画の自然を感じる音がとても好きだな。それは15の頃に初めて一人でポレポレ座で見た映画の影響かもしれないけれど。思春期の人生における影響力の強さよ。