ピンキリ通信簿

ピンキリなモヤモヤを昇華するただの日記

女の子を育てる価値観の継承

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社会にでる22歳まで、女性がこんなにも世の中で働きずらい生き物だとは知らなかった。

母はずっと働き、専業主婦に向けたヘイトを繰り返す人だった。小さな町の進学校だった公立高校では、一番頭のいい子は女の子で、確かに理系クラスに女子は少なかったものの女子も男子も勉強熱心だった。そして大学で唯一教授に言われたのは「女の子はどんなに絵が上手くても結婚したら描かなくなる」という言葉。

今思えば、あれが初めての女性の現実だった。

働いていた商社では、あからさまに女性蔑視があった。女は結婚してこそ幸せになれる、夫を支えてこそ女。

色々家族の事情があって、私の一番の趣味だった仕事をやめ、夫の家族のために働くことを諦め、家族のために家にいる生活を送ることとなった。12歳の頃の自分からみたら、信じられない未来。将来働き続けると思う女の子は手をあげてくださいと教師に言われた小六のあの日、クラスで手を挙げたのは私だけだった。

今、女児を育てていて仰天する言葉がある。それは、この21世紀とは思えない価値観。「女の子は男の子のように勉強しなくていい。」

小学校から私立に通い、中学高校大学も女子大、そして安定したエリートな旦那さんと結婚したお母さんがサラッという。初めての価値観に、驚いた。そうやって育てられて、専業主婦になって今が幸せだと思えるから言える、その価値観。100年前かと思った。

いろんな家庭があって、いろんな価値観があるのは理解しているつもりだけれど、そうすることで女の子の未来を奪っているような気がしてならない。

「どうせ結婚するんだから、勉強なんてすることない」と言われ育つ女児が、この21世紀の日本の首都圏のアッパー階級で、再生産されている現実がある。専業主婦であることが、幸せであると思える価値観を子供の頃に与えれば、専業主婦であることに疑問を抱かず幸せで生きられるのかもしれない。

私は、そうやって育てられなかった。母に働かない人間の価値はない、勉強して向上心を持って生きろと育てられたおかげで、今、働かず、子育てに追われるだけの毎日の中で自分の価値を見失うことがよくある。

いろんな価値観があってしかるべきとは思うけれど、一番は、どんな状況でも自分が今一番幸せであると感じられる自己肯定力だ。女の子の未来は、この日本で明るくあってほしい。女性が輝ける社会とは、つまりは、女性への教育投資だと思う。